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寄付やボランティアを「特別なこと」から「普通のこと」に変える! 友人が困っていたら協力したいと思う、そんな「当たり前」が出発点

河原井祐輔様
株式会社グルメパートナーズ/シェアリングバンク株式会社
代表取締役
河原井祐輔

知的障害児が「カラフルモデル」として広告の世界で輝ける社会を目指し、2021年、弊社はクラウドファンディングで支援を呼びかけました。賛同してくださった方は94人。今回ご登場いただく河原井祐輔さんもそのひとりです。

弊社代表・内木にとって17年来の友人でもある河原井さんは、金銭的な支援だけでなく、写真コンテストでは自身の会社で取り扱うカメラのレンズを無料で貸与し、カメラマンとしても出場。さらに、折に触れて助言や激励をくださるなど、じつにさまざまな場面で力強いサポートをいただいています。

「目の前に困っている人がいたら助ける。頑張っている友だちがいたら協力する。自分にできる当たり前のことを普通にやっているだけです。そういう人って、思っている以上に多いんじゃないでしょうか」

なんの気負いもなくそう語る河原井さん。こういう方がもっともっと増えていけば、カラフルモデルのキッズたちが、“知的障害のある”という但し書きすら必要のない「ユニークなモデル」として、普通に活躍できる世の中になっていくのかもしれません。そんな願望を込めて、河原井さんにインタビューをさせていただきました。

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河原井祐輔さん
株式会社グルメパートナーズ
https://www.gourmet-partners.com/
飲食店の店長時代に集客で苦労した河原井さんが「集客できる男になろう!」と思い立ち、2011年に設立した飲食専門の広告代理店。「飲食に関わる全ての人たちを幸せに」というコンセプトを掲げ、あらゆる角度から集客・売上UPの悩みを解決している。

TORUNO
https://toruno.jp/
オールドレンズの個性あふれる描写力や洒落たデザインを愛する河原井さんが立ち上げた、オールドレンズの月額定額制シェアリングサービス。初心者でも楽しめるレンズからマニア垂涎・珠玉のレアモデルまで幅広く取り揃えている。

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──弊社所属のカラフルモデルを被写体とする写真コンテストにレンズを貸し出してくださったほか、カメラマンとしても出場されました。どういった経緯でサポートくださったのでしょうか?

はないちゃん(弊社代表内木の旧姓)は長年の友人で、カラフルモデルの活動もFacebookを通じて応援しています。自分にできることならいつでも力になりたいと思っているので、コンテスト開催を知ったときは「カメラのレンズなら貸せるよ〜」と、自分が写真を撮りに行くついでに、何本か持参した感じです。

もともと写真は好きですが、仕事では料理写真ばかり。プライベートで家族を撮ることはあるものの、基本的には風景が多いです。マニュアルのカメラを使っているので動く被写体には強くないというか、人を撮るのはじつは苦手なんです(笑)。

──2022年の作品は見事、福島治賞を受賞。モデルになった子の素の表情が優しい光の中で輝いているような、とても素敵な一枚ですね。

ありがとうございます。コンテストの「ありのままの」というテーマ通り、彼らが持つ障害のことは認識しつつも、生来のピュアな雰囲気を表現できたらなと思って、こちらもありのままの姿勢で撮ってみました。

──二児の父親でもある河原井さん、障害のある子どもたちと接してみていかがでしたか?

音に過敏だとか、ひとりひとりにいろんな個性があるのは聞いていたので、それは踏まえて接していましたが、障害のない子と比べてとくに違いを感じることはなかったですね。人と話すのが苦手な子も多いですが、嬉しそうに話す子もいて。僕も初対面でおしゃべりするのは苦手なので、おんなじですよね(笑)。

──カラフルモデルの活動は、どんな想いでサポートしてくださっているのでしょうか?

そもそも、サポートしてあげているという感覚はないかもしれません。自分の知り合いが意義のあることに挑戦している、だったら、自分にできることは手伝いたいと思うのが普通だと思います。無理なことはできないけど、協力できることがあればしたいなと。

もともと、人からどう見られるか?というのを気にしないタイプなんですよね。自分がいいと思ったらやるし、やりたくなければやらない。仮に、僕自身がいいと思っていることに賛同しない人がいても、「あ、自分と違う考えの人もいるんだ」と思うだけで、とくに気になりません。

──あくまでも自然に、無理なく関わってくださっているのがありがたいです。地元商店会の活動にも積極的に参加されているとか?

住まいのある埼玉県朝霞市で商店会の理事を務めていて、駅前のクリーン活動や防犯パトロール、花植えなど、いいと思うことをどんどんやっています。最初のうちは「恥ずかしい」「参加したいけど何となく踏み出せない」という人も一定数いましたが、忙しい社長さんとかお子さん連れのお母さんとか、みなさん積極的に参加されていますよ。

──参加したいけど何となく踏み出せないというのは、ボランティア活動全般に言えることかもしれませんね。

ただきっかけがないだけで、じつは参加したいと思っている人ってすごく多いですよね。社会貢献したい人、弱者をサポートしたいという人。自分からは動かなくても、動きやすい環境さえあればぜひやりたいという人が増えていると感じます。

「カラフルモデル」の活動も、ボランティアを積極的に募集した方がいいと思いますよ。具体的にこういうことをやってほしい、と伝えれば、名乗り出てくれる人はたくさんいますから。

──商店会ではどのようにボランティアを募っておられるんですか?

商店会の公式LINEを作って、そこに一般の方も登録してもらっています。情報が欲しい人しか登録しないので、あとはどんどん発信していくだけ。「クリーン作戦、やりますよ」と言えば子どもにもやらせたいという親子が参加されますし、駅前のおもちつき大会もLINEで告知して大盛り上がりでした。

知的障害がある子のサポートにしても、「こういう目的、意義を持って、こういうことをやっています」というのをきちんと明確にして、「こんなサポートをしていただける方を募集中です」というのをカジュアルに伝えていけば、手伝いたいという人は多いと思いますよ!

──なるほど。ボランティアさんの募集って、依頼する側もつい身構えてしまいがちですが、どんな意義の元に何を目指しているのかを明確にした上で、「手伝っていただけませんか」ではなく「一緒にやりましょう!」という姿勢のほうがいいのかもしれませんね。

僕はそう思っています。活動のゴール、方向性を決めて、それに対してどんな活動をしていくのか、そのためにどんなサポートが必要なのかを明確にする。あとはもう、開けっぴろげに「手伝ってください」と言えばいいんじゃないでしょうか。

全員に「やりたい」と思ってもらう必要はなくて、趣旨に賛同して「お手伝いしたい」「興味あります」という人たちだけに向けて発信すればいいと思います。「何をしてほしいか」を具体的に提示するのもポイントですね。

── 一般の方だけでなく、企業の賛同を得るにはどうしたらいいと思われますか?

経営者もひとりの人間なので、基本的には同じだと思います。いろんな考えの人がいますから全員の賛同はもちろん得られませんが、世の中の役に立ちたいと考える人はたくさんいます。

僕は今回、はないちゃんという友人が立ち上げた活動だったから、何の迷いもなくカラフルモデルの活動をサポートすることになりました。そういった友人関係だけでなく、地域のつながりだとか「子どもたちのために」という共通目的だとか、何かしらのきっかけや協力しやすい関係性を作ってあげれば、「ぜひ協力したい」という法人は多いんじゃないでしょうか。

お金の使い方ってすごく大事。仮に、自由にできるお金が10万円あったとしたら、それを何に使うか。僕はそういうお金を自分のために使うのは意味がないと思っているので、自分に出せる範囲で誰かの役に立つことができたら「いいお金の使い方ができたな」と自分で納得できるんです。そういう人って、けっこういると思いますよ。

──貴重なアドバイスをありがとうございます! 最後に、カラフルモデルの親御さんに向けて、メッセージをお願いします。

僕らは普段の生活を共にしていないので、本当の大変さははかりしれないと思います。いいことも悪いことも繰り返しながら1日1日を積み重ねていくんだろうな、「いつまで」という期限がないだけにしんどいことも多いだろうな、と想像するしかありません。

でも、周りの人間にできることがあるのなら、環境を変えることで救われる部分があるのなら、これからも自分にできることを迷わずやっていきたいと思っています。地道に、できることをコツコツとやっていきましょう。

===内木美樹より一言===

私が以前、飛び込み営業の仕事をしていたとき、その相手先にいらっしゃったのが河原井さんです。当時から垣根のない話しやすい方で、年齢が近かったこともあって、親しくなりました。私がその仕事を辞め、河原井さんも辞め、SNSで交流が続く中で、気付いたらふたりとも「飲食店をお客様とする仕事」をしていたんです。

そんな感じで17年来の友人です。私が立ち上げたカラフルモデルのクラファンも迷うことなく応援してくださり、いつも的確な助言と優しい励ましの言葉に元気づけられています。

今回のインタビューを通じて、河原井さんの温かい気持ちに触れられただけでなく、具体的な行動指針も示していただけたと思っています。できることを地道にコツコツと。私もそのことを胸に刻んで、また前に進んでいきたいと思います。

取材・文/木戸上かおり

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